【鍼灸師を目指す人向け】資格取得から就職率までの手引書
資格取得者が増加の一途をたどる「鍼灸師」ですが、一方で気になるのは「就職率」や「就職先」ではないでしょうか。 「果たして就職する先はあるのだろうか…」「就職率はどれくらいなの?」そんな不安を持つ人もいるかもしれませんね。
学校によって、試験合格率やエリア、これまで送り出してきた先輩たちの働きぶりなどを受け多少影響するために求人数も異なりますが、求人倍率は10~27倍程度と高い数値となっています。
求人倍率とは、求職者(仕事に就きたい人)一人に対する就職先の数を指しており、例えば10倍なら10社、20倍なら20社、人員を募集している企業がある、というわけです。
希望条件が合う合わないを考えると、選択肢は求人倍率とイコールではないものの、就職先は複数あるということがわかりますね。
今回は、鍼灸師に興味がある人、将来鍼灸師になりたいと思っている人、社会人として働いているけど鍼灸師への転職を考えたい人向けに、学校や国家資格について、就職先、給料についてまとめました。さっそく見ていきましょう!
鍼灸師として働きたい気持ちは固まっているけど、「どんな職場がいいのかわからない」「どう転職活動を始めればいいかわからない」という人は、一度キレイにスルンダの窓口までお気軽にご相談ください。
1.そもそも鍼灸師って?

実は、驚くことに「鍼灸師」という資格はありません。鍼灸師(しんきゅうし)とは、「はり師」「きゅう師」両方の国家資格を持つ治療の専門家のことを言います。これら異なる2つの資格ですが、はり師の資格を持つ人のほとんどがきゅう師も、きゅう師の資格を持つ人のほとんどがはり師も、というように両方を取得しているのが一般的です。
鍼灸師は、患者さんの症状や痛みに対して、その名のとおり「鍼」と「灸」を使った治療を施します。
2.鍼灸師になるには

鍼灸師になるには国家資格が必要ですが、受験に際して「受験資格」が必要になります。
- Step.1◆はり師ときゅう師の養成課程がある学校を卒業し、受験資格を取得する
Step.2◆はり師ときゅう師の国家試験を受験し、合格する
受験資格を得るための養成学校では修学3年以上となっていますので、鍼灸師になるには最短でも3年以上かかる、ということになります。
3.鍼灸師になるには、どの学校に通う?

鍼灸師になるには、厚生労働省が認定した専門学校、大学、短期大学、または文部科学省が認定した盲学校(※)で3年以上専門課程を学びます。
費用に関しては、学校によって違いはあるものの、およそ500万円程度かかるそうです。通常の2年制専門学校に比べると倍ほどの額になるので、安易な気持ちでは手が出せないですね。
※盲学校とは、視覚障がい者に対して教育を行う学校のことです。実は鍼灸師は以前、視覚障がい者の人が就く専門職とされ政策が行われていたそうです。そのため、鍼灸師養成課程を設けた盲学校が全国にあるのです。
4.鍼灸院だけじゃない!鍼灸師の就職先とは

晴れて国家試験に合格したら、次は「就職」ですよね。鍼灸院のイメージが強いかもしれませんが、「鍼灸師=鍼灸院」ということはなく、就職先は多岐にわたります。
〈鍼灸師の就職先一覧〉
- ●鍼灸院
●病院、クリニック(診療所)
●リハビリテーション施設
●介護施設
●在宅医療の現場
●鍼灸専門学校の教員
●エステサロン(美容鍼灸)
意外とたくさんありますよね!鍼灸師として働くにも、治療する相手がリハビリを必要とする患者さんであったり、介護施設に通う高齢者であったり、美容への意識が高い女性などさまざまです。
そのため、働く先によっては各分野に特化した知識やニーズなど、引き続き勉強する必要があるでしょう。「仕事に就いてからも常に勉強」という姿勢は、どんな仕事にも共通することですね。
>>鍼灸師の求人を見てみる
>>就職先ごとの詳しいまとめ記事はこちら
5.気になる鍼灸師の給料と年収は?

鍼灸師になるには資格取得までにおよそ500万円もの費用がかかることがわかりましたね。では、果たして鍼灸師として働く場合の給料や年収はどれくらいなのでしょうか? 後々「そんなはずじゃなかった」なんてならないように、給料や年収についても確認しておきましょう!
- 鍼灸師の平均給料:15~27万円程度
鍼灸師の平均年収:250~400万円程度
4.で紹介した「働く先」がどこなのかによっても当然変わります。卒業したばかりの初任給と10年経験を積んだ先輩とでは全く異なるので、経験年数よって給料も上がっていくでしょう。
キレイにスルンダでは求人情報を調べてみました。今回調べた20件(20施設)の平均月給は207,500円で、最低では15万円~、最高だと25万円~、と固定給に10万円もの差が生じることが明らかになりました。
鍼灸の治療は基本的に自由診療となっており、施術料の規定や制限が決められていません。そのため、鍼灸院によって料金が設定されていることなどから、給料にもこれだけの差が生じてしまうのだと考えられます。
まとめ
いかがでしたか?
なかには「3年以上も学ぶのかぁ」「500万って高いなぁ」と感じた人もいるのではないでしょうか。
やはり医療系の国家資格を取得するには専門的な知識を要するので、これは当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんね。
実際はり師ときゅう師の資格取得者は年々増加しており、その就職先でもある、はりやきゅうを行う鍼灸院などの施設も増えています。高齢化が止まらない今、介護施設やリハビリテーション施設、在宅医療の現場など、高齢者に対応する施設や事業、仕事は増えています。
日本の未来を支えるためにも、活躍の場が増えるであろう鍼灸師を目指してがんばってくださいね。
就職や転職に関してのお悩みがあれば、ぜひキレイにスルンダの無料相談窓口までお問い合わせください。専任のコンシェルジュがサポートいたします!
★関連記事はこちら
>>鍼灸師で「年収1000万」は、稼げる?稼げない?
>>転職前に知っておきたい“鍼灸師のここが辛い!”